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初秋の角島、長門


,2020年9月22日〜23日

 コバルト色の海を突き抜ける白くて長い橋の写真を見るたびに是非この目で見てみたいと長い間あこがれ続けていたのにどういうわけか縁がなかった角島。

今年に入って新型コロナウィルスの影響で半年以上の自粛生活が一段落して始まったG0 TOキャンペーンを利用して、4連休の最終日にやっと実現することが出来た。

早朝出発、長門市着11時

 市内に入るといたる所で金子美鈴みすずの看板が目に入る。みすず通りの記念館をのぞいてみた。
大正後期に彗星のようにあらわれた美しい詩人の生家が営んでいた書店を再現して往時の面影を偲ぶことが出来る。丁寧に紹介された彼女の生い立ちや作品を通して柄にもなく優しい気分になる。








 
青海島観光汽船でクルーズを楽しむ。

海鮮丼とアカモクの吸い物を持ち込んで船内で昼食にする。
食べ終わってデッキに出ると意外に風が強い。船上から海岸沿いの景色を眺め、やがて“海上アルプス”と称される奇岩、断崖絶壁,洞門が現れる。急に波が荒くなりそこからU ターン。


 


次なる目的地は油谷の元乃隅稲成神社

ナビでかなり近づいたと思っていると急に前方の車がストップしてしまう。曲がった狭い山道で先が見えず工事中だと思っていたがあまりに長い時間動かない。
“あっそうだ、連休中だった!”と合点する。
駐車場までつながっているのではと今日は諦めて明日行くことにする。
いよいよ角島に架かる長い橋の姿を見た時“おお!と感嘆の声を上げてしまった。

全長1780メートル、サーファーの姿がアリのように小さく見える。

歩いて渡ってみたくなるが歩道が無い。橋のたもとにある売店の女性に訊ねてみると禁止はされていないが危険だから誰も歩く人はいないという。
“生活道路として造られた橋だから。”と観光目的に建造されたものではないと強調された。

平成5年着工、開通12年、島民の悲願だったとのこと。半農半漁の生業の静かな島に観光客が押し寄せるようになったことに若干のとまどいを感じている島民の口調だった。
   
後ろは平城京から発掘された木簡を模した物。
角島から遠く奈良までわかめが納められていたこと
が記されている。


明治9年に完成した日本海側初の洋式灯台。総御影石造りの重厚な姿で、歴史的にも貴重な文化遺産として高い評価を受けている。


ホテル西長門リゾートはオーシャンビューのお洒落なたたずまい。

 

 各部屋海側は壁一面のガラス張りで海と橋が絵画のようだ。バルコニーに出るとまるで ワイキキビーチ。


 
 

 海に面した露天風呂から完璧な夕日を見る。

 

 夜、ホテルのバスで角島ナイトツアーへ。降るような星に感嘆の声が上がる。
ドライバー兼ガイドの絶妙なトークに大爆笑。

 
露天風呂で朝の海の景色を堪能する。
“最高ですね。”
裸の見知らぬ同士、思わず口に出る。

 

 昨日たどり着けなかった元乃隅稲成神社へスムーズに行けた。
123基の赤い鳥居が青い海と緑の樹々に映えて美しい。

 
 
”龍宮の潮吹き”は波が打ち寄せると水面下の洞窟と連なった穴から海水を高く噴き上る。
岩の上に建っていると離れていても飛沫が霧のようにかかってくる。
断崖を歩くと思いのほか急峻、強風にあおられてしまいそうで恐怖に襲われる。

 

 天気に恵まれ、山陰のマリンブルーに輝く海を堪能出来て大満足の旅となった。
走行距離500kmをひとりで運転してくれた夫に感謝!
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