秋の九重高原と復旧中の熊本城



2020年10月20~21日



秋たけなわの大分熊本両県を妹の旦那様の運転で走行距離450キロのドライブ旅行をする。

集中豪雨の爪痕がいまだ残存、道路が復旧していない箇所が多くてナビをあてにできない状況のルート。行きつ戻りつしながらいつの間にかやまなみハイウェイに入っていた。
30数年ぶりに通るやまなみハイウェイは懐かしく、そしてあの頃の晴れがましいイメージは消えて普通の地味な山道になってしまっていた。


九重【夢】大吊橋は紅葉シーズンには早くコロナの影響もあり観光客はまばらの状況。
標高777mから望む360度のパノラマ、高さ173m(日本一)、長さ390m。北方ゲートから中村に向かって渡っていく。高所恐怖症気味なので下を覗くと足がすくんでしまう。
午後の秋の日差しの中で遠く男滝と雌滝が光って見えた。







長者原の九重登山口駐車場には平日にもかかわらず車の数が多く、登山シーズンを実感する。


 

 長者原ビジターセンターから立派な木道がタデ原湿原に伸びている。
野焼きによって湿原環境が維持されている湿原は【ラムサール条約】に登録されている。
腰痛がひどい夫を残して3人でタデ原絶景コースを散策した。
木道には所々鳥獣の糞が落ちている。山々に抱かれた湿原に秋の午後のひんやりした風が吹いて心地よい。



 

 三俣山、硫黄山、星生山をバックにしてススキの群生が揺れる。



やっと到着した貸別荘星生倶楽部のベランダから見えた茜雲。
だんだん気温が下がってきた。
 
露天風呂の寒いこと!しっかり温泉に浸かっても洗い場で髪を洗っていると寒くてたまらなくなる。
暗くなるとくっきりした三日月が凍てついた夜空にクッキリと浮かぶ。

豊後牛のしゃぶ鍋が美味しい。
温泉の効果なのか朝までぐっすり眠れた。




朝一番ベランダに出て見た空


朝食前に牧ノ戸峠まで車を走らせる。
10分程の距離だが高くなった分、樹々が色づき始めていて秋本番の風情。

道路脇には車が列をなして止めてある。登山者の姿はあまり見えないが、多分登山ルートが色々あるのだろう。まだ7時なのに、一体何時ごろ家を出発したのだろう。

牧ノ戸峠駐車場に車を置いて久住登山口から少しだけ登って見晴らしを楽しんだ。壮大な眺めに感動する。




朝風呂の後、朝食。いつもは管理棟のレストランで食べるのだが、コロナ感染予防のため管理棟まで取りに行く。
貸別荘の利用料金がGo Toキャンペーン割引対象でかなりやすくなっていた。



大観峰から阿蘇市を望む。

阿蘇外輪山の最高峰にあたる場所で標高は936m。

阿蘇五岳を一度に望む絶好のビュースポット
綺麗に区画された田畑や家々がはっきり見て取れる。


前回来た時、外国人観光客で賑わっていたが、今回はどこに行っても人影がまばらでゆっくり自然を楽しむことが出来る。




阿蘇神社は平成28年の熊本地震で被災した神殿や他5棟の災害復旧工事の真っ最中。

倒壊した楼門は離れて見ると完成済みのように見えるが近づくと工事現場を覆っているパネルに写真を印刷したものだと分かった。






 国道325号線阿蘇大橋は大規模な斜面崩壊で通行不能となっており復旧工事を急いでいる状況。



崩れ落ちた旧阿蘇大橋。




加藤清正によって1607年に完成した熊本城は周囲5.3㎞に及ぶ広大な城郭。
熊本地震により50ヶ所の石垣が崩壊した。


場内の桜馬場“城彩苑”花雅にて昼食後、特別見学通路“南ルート”を歩いて災害状況や復旧工事を見て回る。

現場の警備員や案内スタッフに質問してみると丁寧な返事が却ってきて熊本城に対する彼らの熱い“愛”が伝わってきた。
 
 



 上は現在の状況で下は地震前の写真






完全復旧までは20年以上かかるらしい。
“とても完成までは生きとらんなあ”と4人笑う。


穏やかな天気の中で素晴らしい自然を楽しみ、そして自然の恐ろしさも見せつけられた旅となった。
一番高齢のドライバーに450㎞の運転をしてもらって感謝の一言に尽きる。



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