日本の海を守るまち 呉


2022年4月23日
呉市で一人で住んでいる姪が初めて出産した。
単身赴任している夫のお産休暇と入れ替わりに、早世してしまっている両親に代わって私が手伝いに行くことにした。

呉駅改札口を出るとリュックを背負ったスマホ片手の男たちがウロウロしている。
不審に思っていたら“JR西日本呉駅2022年春 提督来訪記念”の看板。
鎮守府巡りといういわゆるアニメオタクたちのスタンプラリーに参加している人たちだった。
可愛いアニメキャラクタ―立て看板が呉のポイントに立っている。
ゾロゾロ歩き回る男集団を異様に感じるのは時代遅れなのだろうか。

久しぶりに抱く新生児の可愛いこと!
母子ともに元気で大したお世話を必要としない。
朝昼夕の食事とお風呂入れをすればあとは自由時間。
呉めぐりを楽しむことにした。

翌日は雨。
大した降りではなかったので傘をさして入船山記念館方面を散策する。美術館通りの著名な作家による彫刻と赤レンガと新緑の樹々が雨に濡れてしっとり美しい。

 

2022年4月23日
呉市で一人で住んでいる姪が初めて出産した。
単身赴任している夫のお産休暇と入れ替わりに、早世してしまっている両親に代わって私が手伝いに行くことにした。

呉駅改札口を出るとリュックを背負ったスマホ片手の男たちがウロウロしている。
不審に思っていたら“JR西日本呉駅2022年春 提督来訪記念”の看板。
鎮守府巡りといういわゆるアニメオタクたちのスタンプラリーに参加している人たちだった。
可愛いアニメキャラクタ―立て看板が呉のポイントに立っている。
ゾロゾロ歩き回る男集団を異様に感じるのは時代遅れなのだろうか。

久しぶりに抱く新生児の可愛いこと!
母子ともに元気で大したお世話を必要としない。
朝昼夕の食事とお風呂入れをすればあとは自由時間。
呉めぐりを楽しむことにした。

 

翌日は雨。
大した降りではなかったので傘をさして入船山記念館方面を散策する。美術館通りの著名な作家による彫刻と赤レンガと新緑の樹々が雨に濡れてしっとり美しい。

入船山記念館
明治初期まで小さな港町だった呉は1889年に呉鎮守府が開庁したのち軍港都市として発展してきた。
呉鎮守府司令官官舎として建築された建物は90年を経て
国重要文化財に指定されている。

朝早すぎたのでまだ入れない。ここでもアニメオタクの男たちが傘をさして集まっていた。


海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎


3日目の早朝、傘を差して小雨の中を散歩する。
市内真ん中を流れる境川沿いに整備されている公園。
横の蔵元通りは市役所、図書館、文化ホールが連なっている。

 

午後ようやく雨が上がって大和ミュージアムへ行ってみた。
軍港として繁栄、それゆえひどい戦争被害を受けてしまった呉の歴史が事細かに展示されている。
他の町では類を見ないほどの丁寧さで、うらやましくなった。
自分の住んでいる町の歴史を知ることは郷土愛に繋がるはずだから。
 

戦艦大和の十分の一模型 
 
 
零式戦闘機

 

大和ミュージアム向かい側にある“てつのくじら館”に入った。
入館無料なので気軽に入ったものの展示を見て強い衝撃を受けた。
掃海艇という言葉は聞いたことがあったが、どういうものか全然知らなかった。
第二次大戦中、米軍により大量にばらまかれた機雷を除去して現在も続いているのだ。
日本の海運を支えた掃海隊の仕事を知ることが出来て良かった。
 
   

 磁気機雷、音響機雷


水圧機雷などが展示されている。 

 

4日目早朝、再び小雨。 今西通りを旧澤原邸まで30分ほどウォーキングする。
近くまできてどうしても見つけられず、履き掃除をしている年配のご婦人に尋ねると一旦家の中に入りマスクをつけてから
“ご一緒しましょう”と案内してくださる。

250年の歴史を持つ建物であり、街道に面した澤原家の三つ蔵は蓑壁と漆喰壁を併用した独特のもの。
 

澤原家は代々庄屋などの要職を務める商家。

 
 

4日目午後は“呉湾おさんぽクルーズ”を体験する。
呉港を出港して江田島の小用港を往復する約45分のフェリークルーズ。
あいにく雨が降ってきたが、傘をさしてデッキに立ち呉湾の景色を楽しんだ。
江田島接岸の様子。
 
 
 
五日目の朝、雨の予報が外れたので“呉湾艦船めぐり”に行く。
海上自衛隊OBによる案内を聞きながら潜水艦や護衛艦などを眺めるクルーズ。
早口の説明に着いていけなくて案内役の口元ばかりを見ていると
”なにか私の顔についていますか?”
 
 
 
 
 

初めて見る潜水艦。

 
 
 

来年は廃船になる予定の古い艦船とのこと。
きびきびと動く船員の姿が見えた。

 
 

 入船山記念館
館内の呉鎮守府司令長官官舎の壁や天井に貼られた金唐紙は有名。

 

洋館の後方に建つ日本家屋。 


 部屋の中や広縁を吹き抜ける風は心を癒してくれる。

 

6日目、呉市西部にある両城の200階段まで歩いていく。
見上げると目まいがしそうな急斜面に狭い石段が延々と続いている。
老婦人が手すりにしがみついてゆっくりと下ってくる。“”大変ですね。声をかけると“これを掴みなさい。私が元気ならあんないしてあげるけど。”
階段途中の家々に住む人たちは大変だ。
 
 

6日目の午後、1Day呉パスを使って温度の瀬戸へ行く。
遊歩道を登り吉川英治文学碑の立っている丘からツツジ公園と第二音戸大橋を見る。 

 

第三音戸大橋
 

地区歩道「第三音戸大橋」を歩いて見たかった。
とても良い眺めだと勧められたが暑さで疲れがピークになっていて断念したことが後になって悔やまれる。

 

1週間の滞在だった呉市。
お産看病目的のはずだったが空き時間を利用して ここぞとばかり呉を探索できたのは産後順調な母子のおかげ。

ゴールデンウィーク休みで戻ってきたパパと交代して帰路に就いた。


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