詩情と伝説の島 姫島

姫島へのドライブ旅行

 2013年1月4日

 以前から気になっていた島のひとつ、大分県国東半島の沖合に浮かぶ姫島村。
テレビの特集番組で姫島盆踊りが紹介されていたが、その時のキツネに扮した子供たちの化粧した顔と面白い仕草、盆踊りの明かりの中に浮かぶ島民の真剣な表情が妙に頭に残っていた。
 正月休み最終日、ドライブの行き先を思いあぐねていた時、
 『姫島にいってみたい。』
今から行くには遠すぎると反対されるだろうと予測していたのに、早速カーナビの
行く先を設定する夫。ヤッター!
 10時30分出発、高速を走り国東半島の先端、国見町からフェリーで20分、姫島に降りた時は2時になろうとしていた。

 フェリーの中で島の女性に話しかけて島の様子を尋ねてみた。姫島は昔から漁師の
島でひと昔前までは豊漁続き、一日で20万円の稼ぎがあることもあったという。
ところがぱったりと魚が取れなくなり重油代も稼げなくなったので船に乗ることを諦めた若い漁師たちは島の外に働き口を探さざるを得なくなったそうだ。
車エビの養殖だけが島の産業であとは農業を少しばかりとのこと。

島の人口は2,200人ぐらい、高校がないのでフェリーで通学していて、そのため少々時化ても運航するとのこと。今日の天気は最高だそうで、そう聞くとなんだか得した気分にさせられる。

 まず腹ごしらえと教えてもらった料理屋さんへ直行したが、1軒目は準備中の札。
もう2時過ぎているので仕方がない。2軒目の姫乃屋で浜定食を注文する。2100円也。
待つことしばし、運ばれてきた料理の刺身がとても美味しい。アナゴの刺身だそうだが
綺麗な白身で幅広く、とてもそのようには見えない。島の特産品の車エビは甘く歯ごたえ
良くて新鮮。

腹ごしらえを済ませて、貸自転車で島内サイクリングに出発。帰りのフェリーの時間まで
1時間半しかないので近場のスポットを教えてもらった。観音崎は姫島一の景勝地でまた
高さ40メートル乳白色の黒曜石が露天で120メートルも続いている国の天然記念物に指定されている。さすがに瀬戸内国立公園のことだけはあると納得できる美しい海岸線。

島のあちこちで道路の脇のフェンスに白いものがズラリと行儀よく何段も掛かっている。
スルメ?にしては真っ白。足もないし。お年寄りが大事そうに掛けている所に出逢ったので尋ねてみると大根を干して切干大根にすると言う。島で魚を干さず大根とは、漁が無い現実を目の当たりにした思いがする。

姫島庄屋古庄家の屋敷は3年かけて完成した寄棟造りで建坪は129坪の広さがあり、格式の高さが伺える。誰もいない広々とした家の内部は寒さが一段と体にしみてくる。
フェリーの時間も気になって早々に引き上げる。

乾燥ひじきとアオサ、冷凍した車えび、太刀魚の味醂干しなどをお土産に買う。
フェリーから遠ざかる姫島を眺めていると、わずか2時間半の滞在だったのにすっかり島
の住人になったような気分になっているような気がした。もっと暖かい季節にもう一度訪れてみたい。
 
 帰路は国東半島を一周するように豊後高田経由の国道213号線を通った。途中、豊後高田中真玉あたりの海岸線から見た夕日の凄さに圧倒された。干潟に映る夕日がまるで棚田の夕焼け景色のようでおもしろいと思っていると、冷たい海風に吹かれながらカメラを構えている人たちがいるのに気づいた。偶然通りかかった私たちは超ラッキー。

中津、耶馬渓、日田、を通って久留米に着いたのが夜8時過ぎだった。10時間足らずで
国東半島の沖の姫島までドライブ、観光出来たことが驚きだった。



国見から姫島に渡るフェリー
姫乃屋の浜定食


海風を切ってレンタサイクルで

伊予灘に突き出た千人堂
乳白色の黒曜石
石碑


古庄家の説明

古庄家内部

雲の切れ間より冬の日差しが柔らかい

伊予灘

豊後高田 中真玉の夕日


潟に映える夕焼け

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