リバプール
16:55リバプールに到着。

 姪が住んでいるシェアハウスに立ち寄る。比較的通学に便利な場所ではあるが日本と比べると家賃が高いと思う。姪なりにイギリス生活を頑張っている様子見て取れて安心した。

クリスチンと待ち合わせのメトロポリタン大聖堂に行く。私の幼馴染と親友の彼女とは3回の面識しかなくて、しかも10年 近く会っていないので夕方6時の薄暮の中で近づく人影がその人となかなか気づかなかった。私より1歳年下の彼女を見て、 私も老けたんだろうなと思ってしまう。
変わらぬ笑顔にすぐに懐かしさがよみがえる。初対面のリチャードも負けず劣らず優 しい笑顔で迎えてくれる。彼のBMWに乗って郊外の家へ向かった。暗い夜道を40分ほどかかった。
週5日朝9時から 16:30までリバプール大学のオフィスで働いているというクリスチン。イギリスの定年は65歳が通常だということだ。

とにかく自分の英会話能力の低さに腹が立つ。思っていることの1割しか伝えられない。ラジオ英会話を続けていれば彼らの 優しさにもっと感謝の意を伝えられるのに。

 センスの良い家で、多分平日は燃やさないであろう暖炉をたいてくれる。列車の中で気づいたブラックプール(社交ダンス の聖地)に寄ってみたかったことを言うと、関連のテレビ番組を見せてくれた。チャチャとスローが好きというリチャードだ が、彼のせり出したお腹でどんなにして踊るのかと想像するとおかしい。私もすましてタンゴが好きと答えた。お互い一緒に 踊ろうと言わぬが花。

 閑静な住宅街の中にあるおしゃれなレストラン“モンテカルロ”でディナーをごちそうしてもらった。

実業家のリチャードは仕事で日本には何度も来ていて、来春にもクリスチンを伴って来日するとのことでその時はぜひ久留米にご招待 したいと言った。春までに気合を入れて我が家の大掃除をしなければ…

10・26
 早朝目覚めはしたのだが、早くから音を立てると迷惑かなと気遣って起きないでいるとまた眠ったらしくて、姪に
「8時よ。しかも今日から冬時間だから実質9時よ。」
と起こされた。
階下に降りてクリスチンにしどろもどろに挨拶をして、ベッドの寝心地があまりにも良かったのでと言い訳しているとリチャ ードが日曜礼拝の教会から帰ってきた。趣味の良いダイニングで朝食を食べたあと、今日はどこに行ってみたいか尋ねられる。
彼らはチェスターを案内するつもりでいたらしいが、リバプール観光もしてみたかったので、結局リバプール観光を選んだ

 リバプール大聖堂はイギリス最大、世界でも5本の指に入る大規模なゴシック様式の聖堂。ちょうど日曜日のミサがあって いて私たちも腰掛けた。座るとなおさら天井の高さ、奥行きの深さに驚いてしまう。カトリックとは違うミサの風景だった。
 
 2階建ての観光バスでぐるりと街を見て廻る。18世紀の大英帝国時代を偲ばせる建造物がずらりと並んだ街並みが港沿いに 残っていて魅力的だ。そしてビートルズが生まれた街!彼らの足跡をたどれるビートルズストーリーもそこにある。
でもなん といってもサッカー!
リヴァプールFCとエヴァートンFCがこの街を本拠地とするサッカークラブであり伝統的にライバル関係にある。両者の対戦は 「マージーサイド・ダービー」と呼ばれる。街を2分する戦いになるらしい。高額な観戦チケットにも関わらず入手困難だと のこと。 

 植民地との貿易が盛んになった18世紀当時のイギリスは、ヨーロッパからアフリカへ日用品や火器を、新大陸からヨーロッ パへ砂糖などを持ち込む大西洋三角貿易において、ほぼ独占的な地位を築いていた。リヴァプールは、この北アメリカ、西ア フリカをむすぶ三角貿易の拠点として中心的な役割を果たし、おもに奴隷貿易で急速に発展したという負の歴史も存在する。

18世紀から19世紀の海港都市としての姿を残している一部の地区は「海商都市リヴァプール」の名で、2004年にユネスコの世 界遺産に登録された。

 クリスチン達にすっかりお金を遣わせてしまってリヴァプールを満喫させてもらった。お礼をほとんど伝えられなくて恥ず かしい気持ちのまま駅まで送ってもらった。

予定していた4:30のロンドン行きの列車がキャンセルになってしまう。次の列車にすし詰め状態で2時間を過ごす。遅くにロンドン着。


 
マージ―サイド海洋博物館。 世界有数の貿易港であったリヴァプール港の歴史を中心に、港や海、船舶に関する模型や絵画などを展示している。

 
アルバートドッグ周辺はかつての繁栄を偲ばせる重厚な建物が多く残っている。

 
 近未来的なメトロポリタン大聖堂。斬新なデザインに目を奪われる。
イギリス最大のリヴァプール大聖堂。
イギリス国教会の日曜ミサに参加する。

郊外にあるクリスチンの家

2階建て観光バス。冷たい風に吹かれても親は平気で赤ちゃんを抱いている。


マシュー・ストリートはビートルズ観光のハイライト。彼らがかつて演奏してたり

足しげく通っていたパブなどが軒を連ねている。
海港商業都市リヴァプールの玄関
かつてイギリス最大級の港町だった。

第二次世界大戦後一時は衰退したものの現在はロンドンに次ぐ第2の港湾都市となる。

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